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Aterm MP01LN レビュー

Aterm MP01LN を暫く使ってみましたので、簡単にレビューなどを書いてみようと思います。


1. 仕様、特徴

製品名 LTEモバイルルータAterm MP01LN, PA-MP01LN-GW(ホワイト(*1))
サイズ 50(W)x91(D)x12(H)mm
重量 約71g
通信速度 WAN側(LTE) 受信時150Mbps, 送信時50Mbps
LAN側(Wi-Fi) IEEE802.11ac(5GHz) 最大433Mbps
IEEE802.11n(2.4GHz,5GHz) 最大150Mbps
IEEE802.11a(5GHz) 最大54Mbps
IEEE802.11g(2.4GHz) 最大54Mbps
IEEE802.11b(2.4GHz) 最大11Mbps
USBケーブル USB2.0 最大480Mbps
SIMカードスロット nanoSIM x 1
連続動作時間 Wi-Fi通信 約10時間, 待受時間 約900時間
充電時間 約2.5時間
充電池 リチウムイオン電池 1,670mAh
電源 ACアダプタ 5V 1.5A(*2)

(*1):一般的に販売されているモデルはPA-MP01LN-SW(メタリックブルー)、PA-MP01LN-PW(パールピンク)で、このPA-MP01LN-GW ホワイト(と言うよりグレーですね)はgooSimsellerの限定色らしいです。
(*2):ACアダプタとUSBケーブルはオプションで、ACアダプタが付属していない物は実売価格が約¥9,000、ACアダプタ付属で¥10,000前後と言ったところのようです。USBポートは一般的なmicroUSBなので、ACアダプタとUSBケーブルが無くてもスマホ等の充電用ACアダプタ、USBケーブルで大丈夫です。ワタシは専ら Kindle Fire 7 のACアダプタ(5V,1A)を流用していますが、問題なく充電できています(ただ、メーカーでは専用のACアダプタ以外の使用を推奨していません)。

 主な機能、特徴は、

ルータ機能 アドバンストNAT(IPマスカレード/NAPT)
IPパケットフィルタリング
ダイナミックポートコントロール機能(SPI)
DHCPサーバ機能
WAN側機能 LTE接続機能
VPNパススルー機能
Wi-Fi機能 IEEE802.11ac/n/a/g/b
無線LAN(5GHz/2.4GHz切替利用)(*3)
WPA2-PSK(AES)
WPA/WPA2-PSK(AES)
WPA/WPA2-PSK(TKIP/AES)
MACアドレスフィルタリング
ESS-IDステルス機能
オートチャネルセレクト
らくらくQRスタート機能
WPS(Wi-Fi Protected Setup)機能
その他の機能 クイック設定Web
LTEオート接続機能(*4)

と言った具合で、一般的なWi-Fiルーターとしての機能は揃っていますので問題はないでしょう。あえて注意すべき点を挙げるとしたら、(*3)の「5GHz/2.4GHz切替利用」でしょうか。一般的な据置き型のWi-Fiルーターでは 2.4GHz と 5GHz用にそれぞれのアンテナを持っていて、両方の周波数帯が利用可能になっているものが殆どだと思いますが、この MP01LN では 2.4GHz と 5GHz 帯を同時に使用することはできず、切り替え式になります。初期設定状態では 2.4GHz なのですが、5GHz の方が通信速度が速いので 5GHz の方を使いたいと思うのが人情でしょう。しかし日本では 5GHz 帯はレーダーの周波数と被るので、MP01LNは電源を入れた際レーダー波と干渉しないかを調べるため1分から数分程度通信ができない場合があるとのことです。レーダー波と干渉する可能性があるのは W53, W56 のチャンネルなので、W52 のチャンネルだけにできれば良いのですが、残念ながら MP01LN ではそのような設定はできないようです。そのため電源を入れてすぐに使いたい場合には 2.4GHz帯に設定しておくしかありません。

(*4):「LTEオート接続機能」は、SIMフリーのモバイルルーターでありながら、面倒な接続(APN)設定が不要で、誰でも簡単に使えるようにしてくれる機能です。これは SIMを自動認識して APN接続情報を自動的に設定してくれるという便利機能なのですが、その仕組みは主要な MVNO、通信キャリアの APN接続情報を事前に持っていると言うことです。すなはち接続確認済みの事業者でなければ、この機能の恩恵は受けられません。実際、ワタシが使用しているUQモバイルは接続確認済みの事業者の一覧には含まれていないため、手動で APN接続情報を設定する必要がありました。UQモバイルの他に Y!mobile や au, Softbank も含まれていないので、NTT docomo以外の大手キャリアとそのサブキャリアは意図的に外しているのか、何となく不思議な感じです。

 特徴は、何と言っても小さく軽いこと。名刺やクレジットカードと同じくらいの大きさで、重さもiPhone 8の半分もない感じ。カバンの中に入れて持ち運んでも苦になりません。

2. 通信速度について

 上で書いたとおり、LTEが受信(下り)時150Mbps、Wi-Fiが5GHz時433Mbps、2.4GHz時150Mbpsですので、通信の最大速度は150Mbpsという事になります。とは言え、これは理論上の最大性能値なので、実際の使用時にはこんな高い性能は絶対に出ません。せいぜい 20〜30Mbps程度だと思いますし、通信事業者にもよりますが混雑時は1Mbps以下ということもありましょう。
 ワタシは比較的通信性能が安定していて速いと言われているUQモバイルを使用していますが、平日の昼休みの時間帯には通信が遅くなった事が実感でき、この時の速度は数Mbps程度だと思います。色々なMVNOの速度を比較しているサイト等で混雑する12時台には遅くなると言われていたのですが、そんなの使用者が多い都市部だけでワタシのとこみたいな田舎なら大丈夫だろうと高を括っていました。しかし、田舎でも実感できるほどに速度低下するのですね。まぁ使用者が少ない田舎なら、その分通信帯域幅を狭くしている可能性があるので、混雑すれば遅くなるのは同じなのかも。
 と言うことで、最大150Mbpsという通信速度は全然問題ないどころか、オーバースペックとも言えます。

3. 充電池の持続時間について

 連続動作時間は Wi-Fi通信時に約10時間となっていますが、満充電状態から4時間ほど使用した時点で電池残量が 52%になりました。そのため、10時間は持たないかもしれません。
 また、本製品には充電池の劣化を抑えるための「ロングライフ充電」という機能があります。

これは電池残量が 70%になったところで充電を止めるという機能です。リチウムイオン充電池は電池残量が十分ある状態で頻繁に充放電を繰り返すと劣化が早まるので、残量 70%までの間で注ぎ足し充電すればリチウムイオン充電池の寿命を延ばすことができると言うのです(本当か?)。しかし、残量 70%では 10時間持たないですね。おそらく 6〜7時間程度しか持たないでしょうから、それ以上の時間連続使用したい場合は「ロングライフ充電」機能をオフにするか、モバイルバッテリー等で充電しながら使用することになります。

 予備の充電池も用意しておけば良いだろうとも思うのですが、MP01LN用の充電池パック(GXE-001122)を販売しているお店はあまり見かけないです。今のところAterm Official Shopで ¥2,980で販売しているのみの様子です。

4. 発熱について

 レビューによっては使用中の発熱が結構激しいと書いている人がいましたが、ワタシが使った限りでは充電中、ルーター動作時ともホカホカ温かくなる程度でした。この程度の発熱なら保護ケースに入れておいても大丈夫ではないかと思うのですが、リチウムイオン充電池は熱に弱いですから、ぴったりと完全に覆ってしまう保護ケースは避けた方が良いかもしれません。

5. まとめ

 小型、軽量で簡単に使え、価格も手頃ですので、お勧めできるモバイルルーターです。格安SIMと組み合わせることで僅かな料金で毎月数GBの通信ができるようになるので、月末になると通信量制限にかかってしまう人や、Wi-Fi機能しかないタブレットを持ち運びたい人は検討してみたら如何でしょう。

 ワタシは Softbankの契約更新月(来年8,9月)の時か、iPhone 8の割賦支払が終わった時にMVNOへ移ろうと考えています。MVNOでもプラン(通信量)によっては結構な値段になりますので、このルーターを併用することで、できるだけ安いプランを契約して毎月の通信料負担を減らそうと目論んでいます。


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