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富士通LIFEBOOK AH52/Cを譲ってもらったので修理&改造しました

落としたら起動しなくなったと言うことで


1. 富士通LIFEBOOK AH52/Cがやって来た

 最初は、落としたら画面が真っ黒いままになったのだけど何とか治せないかな?という事で、富士通LIFEBOOK AH52/CというノートPCがやって来ました。画面が真っ黒ってどういうこと?まさか液晶割っちゃったとか?もしそうならお金もかかるし修理難易度高いぞ・・・と思っていたのだけど、症状を確認したところ液晶割れではなくハードディスクが読めなくなってWindowsが起動できなくなったようでした。

 とりあえずハードディスクを抜いてSMART情報を確認したところ、Current_Pending_Sector の値が2になっていました。しかし、Reallocated_Event_Count の値は0でしたので不良セクタの代替ができていない(つまり読み出せないので代替できない)様子です。
 不良セクタが2ヶ所だけなら、他の生き残っているデータをサルベージしようと試みたのですが、そもそもマウントができません。パーティションは見えているんですけどねぇ・・・。Windowsインストーラで起動させ、検査や修復させてみても読めないというエラー(read error)が延々と出続けるのみでした。
 データをサルベージできないのであれば、全域ゼロ書き込みして不良セクタを代替させることで何とかハードディスクとして(一時的に)使用可能な状態にする、またはデータを上書きして廃棄するという事になりますが、これもダメでした。書き込みエラーが出るばかりなので、この時点で死亡宣告。おそらく落とした衝撃でヘッドクラッシュしたものと思われ、もう手の施しようが無いと判断しました。

 ハードディスクを交換しない限り修理不能であり、中のデータは諦めるしかないことを告げ、今後の対処を考えてもらうことになりました。選択肢としては、

  • ハードディスクを新品またはSSDに交換する

     この場合、Windowsのプロダクトキーは本体に貼り付けられているシールで判るので、Windowsを再インストールすれば使えるようにはなります。しかし、問題はプリインストールされていたアプリ、特にMicrosoft Officeです。
     Word, Excelはどうしても使いたいと言うことでしたので、再インストールするにはプロダクトキーが必要になります。これは製品に付属のMicrosoft Officeのインストールディスクに貼り付けられているはずなのですが、これが何処を探しても見つからない。Microsoftアカウントも判らないとのことで、Microsoft Officeを新規に購入(またはOffice 365をサブスクリプション契約、年額10,800円)せざるを得ないことになります。正規に購入すると3万円ほどになるので、ハードディスク交換代と合わせると、ざっと4万円ほどにもなります。

     この富士通LIFEBOOK AH52/CというノートPCは2011年のジャパネットやヤマダ電気のオリジナルモデル(AH42/Cをカスタムしたような感じ)のようで、かなり古く正直スペックも低くて時代遅れ感があります。これに何万も投資して復旧させてもねぇ〜と思ってしまいますね。

  • 程度のいい中古ノートPCに買い替える

     2店ほど某リサイクルショップ(Hard ○ff)をまわって中古ノートPCを物色してみましたが、程度の良いものはMicrosoft Office無しで6〜7万円、Office付属で8万円からという感じでした。こうなると、そろそろ新品に手が届きそうなお値段ですね。

  • 新品に買い替える

     ネットで検索してみると、国内メーカーの2019年春モデル(型落ち)でCore i3/i5辺りならMicrosoft Office付属で10万円程度、最新モデルでも11〜12万円の物が見つかります。(海外メーカーであればもう少し安いのがありますが、如何にせんサポートが不安です。)
     ただ、現在はWindows 7の延長サポート終了やCPUの供給不足により、どこも品薄のようで、早く欲しいのであれば在庫のある物を選ぶしかない状況です。

と言ったところになります。そして検討した結果、新品へ買い替えるという事になり、LIFEBOOK AH52/Cは処分。そしてどうせ処分するならワタシが仕事(テレワーク)で使うなり、趣味で改造するなり、好きにして良いということになったのでした。

2. 修理&改造メニュー

 好きにしていいとの了承を貰ったので、早速修理と改造に取り掛かりました。仕事で使うからには、単に修理するだけではなく、そこそこスペックアップしなければ厳しいですものね。
 修理と改造のメニューは以下のような感じになります。予算は1諭吉程度で。

  1. 壊れたハードディスクをSSDに換装
  2. マウスの購入
  3. CPU換装
  4. Wi-Fi(無線LAN)ユニット交換
  5. メモリ増設

2.1 壊れたハードディスクをSSDに換装

 壊れたハードディスクはSSDに交換します。これだけでかなりレスポンスが向上するはずですが、問題はSSDの値段ですね。壊れたハードディスクの容量は640GBですが、これと同じ程の容量があるSSDだと数千〜1万円近くしましょうか。250GB程度ならその半分くらい。投資額はできるだけ低く抑えたいので、Mac ProのSSDを新品に交換して、お古(使用時間は約6,000時間)のSSDを使うことにしました。

2.2 マウスの購入

 LIFEBOOK AH52/Cのトラックパッドは狭いうえ使い勝手が悪く、これを使い続けるのはストレスが溜ります。
 使用頻度を考えると安いのでも構わないかと思いまして、某百均ショップ(Dais○)へマウスを買いに行ったのですが何故か品切れ。仕方なく家電量販店で新年特売セールされていたワイヤレスマウスを購入。680円のところポイントを使用して16円で購入できました。

2.3 CPU換装

 LIFEBOOK AH52/CのCPUはPentium P6200@2.13GHz(Dual Core, Hyper Threadingなし, Turbo Boostなし)32nmプロセスルール、Westmereアーキテクチャ、開発コード名Arrandale、TDP 35Wという代物です。これと同じアーキテクチャ、Socket、TDPのCPUで、換装の成功例が多い物を探したところ Core i5-560M@2.66GHz(Dual Core, Hyper Threadingあり(4thread), Turbo Boostあり(MAX 3.20GHz))が良さげでしたので、これをヤフオクで購入。1,900円+送料(188円)=2,088円でした。
 換装も無事に成功。

2.4 Wi-Fi(無線LAN)ユニット交換

 LIFEBOOK AH52/CのWi-Fi(無線LAN)ユニットには Qualcomm Atheros AR5B95 が使われており、これは2.4GHz帯802.11b/g/n規格の物です。有線LANも10/100base-T Ethernetなので、通信性能は貧弱と言わざるを得ません。そこで、Wi-Fi(無線LAN)ユニットを802.11a/b/g/n/ac準拠の物に交換して通信性能の向上を図ります。
 Wi-FiユニットはMini PCI Express(Mini-PCIe)スロットに装着されているので、ここに装着可能な802.11a/b/g/n/ac準拠のWi-Fiユニットとなると、ほぼ Intel Wireless-AC 7260HMW の一択。Amazonで 2,379円で購入。

 Intel Wireless-AC 7260HMW にはBluetooth機能もあるので、これでBluetoothも使えるようになるかと思ったのですが・・・換装後の結果は以下のとおりWi-Fiデバイスしか認識されず、残念ながらBluetoothはダメでした。

 Intel Wireless-AC 7260HMWのBluetooth機能が有効にならない事象で調べると、主に2つの要因があるようです。

  1. Mini-PCIeスロットがフルスペックでない
     Mini-PCIeスロットがフルスペック(USB結線がされているものである)かによって、Bluetooth機能が使用可能か否かが変わってきます。Intel 7260HMWのBluetooth機能はPCIeでなくUSB接続なので、Mini-PCIeスロットにUSB結線されていることが必須となります。
     Mini-PCIeスロットの「38番ピン」と「36番ピン」(差し込む側から見て左から8番目と9番目)がUSBのD+(2番:データ伝送+)とD-(3番:データ伝送−)にあたり、このピンがマザーボードと接続されていない場合はBluetooth機能を使うことが出来ないのですと。
  2. 51番ピン問題
     Mini-PCIeスロットの51番ピンに純正以外のネットワークモジュールを無効にする信号が出ていて、これによってBluetooth機能が使用不可になるケースがあります。この場合は、51番ピンをセロテープ等でマスク(絶縁)すれば使用可能になります。

 LIFEBOOK AH52/Cの場合は前者のようで、そのままでは勿論、51番ピンをマスクしてもBluetoothデバイスが認識されませんでした。近くにUSBポートや未使用のExpress Cardポートがあるので、USBのデータ伝送線をMini-PCIeスロットに繋げば使用可能になるかもしれませんが、細かすぎて老眼にはとても無理(下手すれば壊しかねない)です。
 そこで、TP-Link製Bluetooth4.0-USBアダプタ UB400を追加で購入、箱汚れのアウトレット品(という事でしたが、届いた物は開封済みの中古品。一応「検品済み」とのamazonアウトレットのシールが貼ってありました。まぁキチンと動いてくれれば問題ありません)で842円です。これをUSBポートに刺すだけでBluetoothが利用可能になりました。

2.5 メモリ増設

 LIFEBOOK AH52/Cに搭載されていたメモリはDDR3-1333 PC3-10600 SO-DIMM 2GB×2枚の計4GB。これだとWindows 10が起動しただけで半分近く消費されてしまい、複数のアプリを同時に動かすには心許ないですね。LIFEBOOK AH52/Cの最大搭載可能メモリ容量は4GB×2枚=8GBなので、できるだけ安いDDR3-1333 PC3-10600 SO-DIMM 4GBを2枚購入、3,380円也。

 しっかり8GB認識されています。

 TIMETECって聞いたことのないメーカーだったのですが、アメリカの会社のようですね。安いけどHynixのDRAMを使っているなら大丈夫だろうと思います。念のためメモリテストも実施し、問題ない事を確認しました。
 元々入っていた2GB×2枚は嫁さんの iMac(27inch Late2009)の増設用に使用し、こちらも2GB×4枚=8GB構成となりました。無駄なく有効利用ってところですね。


 SSDはお古なのでSSDの購入額を除けば合計8,705円。250GB程度の新品SSDの実売価格は3〜4千円ですから、総投資額は1万円少々と言ったところでしょうか。最新のマシンには遠く及びませんが、何とか現役で使えるレベルにはなりました。何よりmacOS Mojaveで動作させたParallels Desktop 15の仮想マシンよりは遥かに速く、快適です。
 OSは本体に貼り付けられているプロダクトキーでWindows 10 Homeをインストール。ワタシは今のところ Microsoft Officeは必要ないので、ソフト関係の追加投資はナシで大丈夫です。どうしても必要になったら互換ソフトでも良いかと。
 ただ一つだけ問題が。

 狭い・・・デスクが狭すぎる・・・我慢できずディスプレイ台も買って、下にキーボードを収納できるようにしたのだけど、それでも狭い!


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