ATi Radeon HD 5770 for PC
先のビデオカード突然死に備えて・・・
昨年末にATi RADEON HD 4870ビデオカードが壊れ、中古で同じATi RADEON HD 4870を購入しました。この時、アップルストアではもう少し安い値段で ATi Radeon HD 5770 Graphics Upgrade Kit for Mac Pro が売られていたのだけど、ワタシの Mac Pro (Early 2008) は動作保証外だったし、実際のユーザ評価を読んでも問題なく動作していると言う人もいれば、何かしら問題が起きたという人も見かけた。そのため、確実性重視で ATi RADEON HD 4870 にしたわけだ。しかし、その後色々調べてみたら、ほぼ間違いなく ATi Radeon HD 5770 は Mac Pro (Early 2008) でも動作する事が分かったのでした。
ワタシの場合、ATi RADEON HD 4870の新品を購入してから故障するまで4年なので、今回購入した中古品が何年使用されていて、あと何年持つのかが気になるよね。余裕が出来たら消費税が上がる前にアップルストアで ATi Radeon HD 5770 Graphics Upgrade Kit for Mac Pro を買っておこうか・・・と思っていたら、何と既にアップルストアから姿を消していた!やっぱり新型 Mac Proが出た影響かな?
まぁ、Radeon HD 5770 は今となっては2世代、3世代くらい前の代物。これに2諭吉以上をつぎ込んで予備としてストックしておくのには抵抗があったのだけどね。でも、これでワタシの Mac Proで使えるMac用ビデオカードの新品を入手できる可能性は無くなったと思っていいだろうな。まだアップルストアには ATi Radeon HD 5870 Graphics Upgrade Kit for Mac Pro があるけど、こちらはもう価格高すぎ。
もう中古を買って延命させていくしかないのね?と思って中古を探してみても Mac用ビデオカードは極めて数が少ないんだよな。あっても、かえって高値が付いていたりするんだ。(先に購入した RADEON HD 4870 も、この世代のビデオカードの中古としては考えられないような値段だった。)
そんな中、PC用として売られているいくつかのビデオカードが Macでも使えるという話を見付けることができた。ただし幾つか制限があって、Mountain Lion以降でないとドライバが Mac OS X に入っていないからダメとか、起動時のグレーのアップルマークが出ず黒い画面からいきなりログイン画面になるとか。後者の方は PCのファームウェアが未だにBIOSであるのに対し、Mac は EFIである事が理由だとか。しかし世の中には PC用ビデオカードのファームウェアを書き換えて Macで使えるようにして使っている強者達がいるのだ。そして Mac用に書き換える方法や、書き換えたファームウェアROMファイルも公開されている。だが必ずしも成功するわけではなく、かなりのリスクを伴うようなのだ。
それなら一つ試してみようと思ってしまったワタシは、PC用の ATi Radeon HD 5770 の格安中古品を購入してしまったのでありました。
Radeon HD 5770 にした理由は、これの Mac用がアップルストアで売られていたのだから動作に問題が生じる可能性が低そうな事と、Mac OS X 10.6.4 (Snow Leopard) にはドライバが入っているだろうと思った事。まだ Snow Leopard は使う機会が多いから、これで動作してくれないと意味がない。そして、ROMの書き換え成功事例も比較的多く見付ける事ができた事だ。
端子類は、
- デジタル・アナログDVI
- デジタル専用DVI
- HDMI
- ディスプレイポート
の4つ。PC用だから、当然 Macのミニディスプレイポートなんか無い。
Mac Pro (Early 2008)に装着したところ。RADEON HD 4870よりも小ぶりで、消費電力も少ないらしく外部からの補助電源供給用の端子は1つだけ。RADEON HD 4870のコードをそのまま流用しているので、1本余っている。
あちこちのホームページに書かれてあったように本当に使えるのか?結論から言うと、Snow Leopard、Mavericks 共に動作しました。しかし、やはりそのままでは色々と制限があり、
- 起動直後のグレーのアップルマークは出ない。ブート中は画面が真っ暗な状態。そこからいきなりログイン画面が出る。
- optionキーを押しながら電源ONしても、ブートさせるデバイスを選択することができない。
→これは万一Mac OS X(Lion以降)に異常が生じた場合に、復旧パーティションから起動させて Mac OS Xを復旧させることはできないという事を意味する。
- シングルユーザモードで起動させると、まったく画面が出力されないが起動はしている。
→これは、Mac OS X がカーネルパニックやフリーズで異常/強制終了した場合に fsckでファイルシステムを検査したり修復することができないという事を意味する。
- システムプロファイラでは ATI Radeon HD 5000 という変なビデオカードとして表示される。
→気持ちは悪いが、あまり実害はないような感じ。
と言うことで、ROMを書き換えて EFI化する事にも挑戦してみたのですが、公開されている方法や、いくつかのROMファイルを試した結果、どれもダメでした。中にはブートしなくなってしまう ROMファイルもあって、この時は「あ〜ぁ、やっちゃったぁ。もうゴミか?」と凹みましたが、RADEON HD 4870とのビデオカード2枚刺し状態でブートして、元のPC用ROMに戻して何とか復旧できました。
その他には SnowLeopard ではシステムプロファイラに正しい名称で表示されるようになるのに、Mavericks ではブートした後にグレーの画面が表示されるだけになって使い物にならないとかで、結局 EFI化は成功せず。で、もう挫けました。
色々と制限はあるものの、起動してしまえば問題なく動作しているようだし、何より Radeon HD 5770 の方が静かで消費電力も少ないようなので、このまま使っていようかなと思っています。性能も RADEON HD 4870 より少し良いみたい。と言うことで、今は RADEON HD 4870 の方が緊急時用のストックとして押入れの中で眠っております。
|