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PowerMac G5について

実はPowerMac G5について書き溜めていた記事があるんだが、長文でありやっと整理がついたので、ようやくポストすることができるようになった。


 会社のマシンが PowerMac G5 (2GHz×2) になった。1.8GHzシングルCPUがラインナップから無くなったので、現行PowerMacのラインナップ中では最下位機種であるが個人用マシンとしては贅沢でオーバスペックと言えるだろう。しかしそれも現時点での話で、リース切れになる数年後には陳腐化しているかもしれない。せっかくなのでファーストインプレッションなど書いておこう。
 体感的には自宅の PowerMac G4/MDD より当然速いと感じられる。しかしクロック比ほど速くなっている感じはしない。自宅の PowerMac G4/MDD は 1GHz×2 なので2倍速くなっていなければならないはずだ。加えて G5は 64bit CPUだし、アーキテクチャが異なるので直接比べられるわけではないがバスクロックは 166MHz→1GHz と数値だけで言えば6倍以上だ。トータルで数倍は速くなっていて良いはずだ。

 と言うことでベンチマークテストによる比較をやってみた。ベンチマークに使用したのは Xbench 1.1.3。トータルスコアだけで比較すると、
PowerMac G5 PowerMac G4/MDD Mac mini
220.65 136.13 111.85
という結果になった。ただし Mac miniはサーバとして運用しながらの測定なので若干低めに出ている 可能性がある。トータルスコアでは G5 は PowerMac G4/MDD の倍(272)には及ばない。個々のベンチマーク結果をもう少し詳しく見てみよう。
テスト項目 PowerMac G5 PowerMac G4/MDD Mac mini
CPU Test 187.95 124.38 146.87
Thread Test 212.59 154.38 107.02
Memory Test 355.38 149.30 135.91
Quartz Graphic Test 247.51 136.30 124.20
OpenGL Graphics test 217.39 108.73 114.41
User Interface Test 380.63 275.63 215.00
Disk Test 131.26 99.57 56.73
これによると CPU Test自体はクロック比ほどの上昇は見られない。これには AltiVec(ベクトル演算) スコアが影響している。G4 の AltiVec は Motorola が渾身の設計をしたのに対し、IBM は G5 に AltiVec を機能を "ただ追加した" 程度のようで、シングルCPU の AltiVecだけについて言えば Mac miniが最速なのだ。しかし浮動小数点演算については G5 が他を2倍以上ぶっち切って高速だ。
 Thread Test は複数のCPUによる並列化ができているか否かのテストなので、シングルCPUである Mac mini に勝ち目はないのは当たり前。ここはデュアルCPU同士で比較すべきだが、ここでも G5 対 G4 でクロック比ほどの差異は得られていない。
 これにより CPU(とキャッシュ)だけでの性能は G5 と言えど驚くほど高いというわけでもないようだ。しかしベンチマークプログラム自体が 64bit化されておらず G5 に最適化されていないという事を差し引いて考えてやる必要があるだろう。

 しかしメモリは PowerMac G5 の方が圧倒的に速く PowerMac G4 の2倍以上のスコアを叩き出している。G4(MDD,mini)のメモリアクセス性能は、せいぜい 1GB/secであるのに対し、 G5 は 2GB/sec を越えている。キャッシュヒットしないメモリアクセス性能が 2GB/sec以上というのは現時点のコンピュータで最速の 部類に入る。(私が開発で使っているPCクラスタの Xeon EM64T が 800MB/sec、Itanium でも 1.4GB/sec 程度なのだ。)最近のプログラムはメモリ負荷が高い傾向にあるので PowerMac G5 の速さを支えている要因 の1つが、バスアーキテクチャ(Hyper Transpose)とPC3200 DDRメモリと言えるだろう。もっとも PowerMac G4/MDD, Mac mini がメモリの性能を生かしきれていないという問題は以前から指摘されていた事であるが。

 グラフィック性能はウチの PowerMac G4 の ATi RADEON 9800pro が最も高くて良いはずだが、実際には PowerMac G5 の ATi RADEON 9600 の方が良い値を出すし、Open GLでは mac mini にも負けている。これは G5 については AGP×8 と ×4 の性能差だろうと考えられる。しかし Mac mini にも負けるというのは 納得いかない。ATi RADEON 9800proドライバのチューニングが不十分だとしか考えられない。

 もちろんベンチマークテストは現実の処理能力を充分に反映しているものではない。しかし、これによると PowerMac G4/MDD (1GHz×2) と PowerMac G5 (2GHz×2) の性能比はクロック比ほどはなく、体感上もそんなものかな?と言った感じだ。PowerMac G5 は浮動小数点演算、メモリ性能の高さから算術科学計算系のアプリケーションに強く、それ以外の通常処理では G4 と大差ないと言う事が読み取れる。
 もちろん PowerMac G5 の特徴は性能だけではない。それは何より優れたインダストリアル・デザインに ある。アルミ筐体の高い質感、整然とした内部構造など、Intel系PC AT互換機とは比較にならない。そして デスクトップで使う場合に嬉しいのが静粛性だ。ウチの PowerMac G4/MDD はとんでもなくファンの音がウル サイのだが、PowerMac G5 はベンチマークテストで高い負荷をかけてもファンはゆるゆると回転するだけで、 極めて静かだ。もっとも、これはファンが通常の速度で回転しているときだけ。1度、初期不良G5で MacOS-Xがハングした事があり、そのときはファン制御が効かなくなって最高速度でブン回りだした。その音の大きさは半端じゃない猛烈なものだった。
 プリインストールされている OS は MacOS-X 10.4 (Tiger) だ。64bit化、G5への最適化も以前より進ん でいるはずだ。プリインストール状態では X-Window がインストールされていないので、後から追加インス トールする必要があった。バンドルされているソフトは iLifeシリーズ、Graphic Converter、Omni Graffle、 Omni Outliner など。そして iWork (KeyNote 2, Pages) も添付されていると思ったら、レジストコード を購入して入力するまで評価版として動作するものだった。残念。

 ソフト互換性は極めて高く、これまで PowerMac G4 で使っていたソフトウェアが殆ど修正することなく 問題なく動作する。(全く動かないアプリも少数ではあるが存在する。)古いマシンから移行する場合、 FireWireでマシン間を接続して古いマシンをTキーを押しながら(ターゲットモード)起動すると、最初の セットアップ時に各種ファイルを PowerMac G5 の方へ転送してくれる。転送が済めば、これまでと全く同じように使い出せるというわけだが、いくつか転送されないファイルもあるので注意が必要だ。
 先ず NetInfo データベースの情報はユーザアカウント(users)以外、殆ど転送されないようだ。hosts ファイル情報(machines) や NFSクライアント情報(mounts) などは転送されなかった。
 いくつかのシェアウェア類のレジスト情報にも転送されないものがあった。これらは再びレジストコード を入力しなおす必要がある。
 また、UNIX, X-Window系のソフトの多くは "/usr/local" 配下にインストールされるものだが、この ディレクトリも転送されない。外付けHDD内にあるファイルも同様だ。これらは後にネットワーク経由など で転送する必要がある。


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