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QUADコアのXeon 5300 (Clovertown)発表で

8コアのMac Pro 発売も近いか?


 Intel が QUADコア(4core/CPU) の Xeon 5300番台(開発コード Clovertown) を発表、販売を開始しました。8コア搭載の Mac Pro が発売される日も、そう遠くないかも?
 QUADコアXeon 5300 は現在 Mac Pro に使われている Xeon 5100 (Woodcrest) とピンコンパチなので、既にMac ProのCPUを載せ変えてみたというレポートが出ています。もちろん消費電力、発熱などの点で全くApple保証範囲外だし、かなり難易度の高い改造と言えるわけですが、きちんと起動するしアプリによってはかなり高い性能を出してくれるそうです。そんなわけで、8コアMac Proは来年初頭あたりに出て来るだろうと予想してます。

 さて、Xeon 5300 (Clovertown) は 5100 (Woodcrest) と比べて何が変わって何が良くなったのか?まぁコア数が倍になったというという事は分かりますが・・・
 調べてみたら、5300 (Clovertown) はぶっちゃけ 5100 (Woodcrest) 2つを1つのCPUダイ上に押し込んだだけのモノと思えば良いようです。となると、いくつか気になる点が出てきます。

  • キャッシュとスレッド配置の問題
     Woodcrest は2つのコアがキャッシュを共用していますが、Clovertown はキャッシュ共用している2コアが2組み存在しているという事になります。キャッシュ共用しているコアに配置されたスレッド間ではキャッシュを通して非常に高速にデータを受け渡せますが、キャッシュが別になるコア上のスレッドとはメモリを通したデータ受け渡しになるので遅くなります。つまりスレッド間の通信量が多いスレッドはキャッシュ共用されるよう隣接配置した方がよく、離れたコアに配置されたスレッドとの通信は少なくなるような最適化が必要でしょう。しかし、これはかなり難しい・・・
  • FSBバンド幅の問題
     Woodcrest は2つのコアが1つの FSBを共用するのですが、Clovertown では4つのコアが1つのFSBを共用することになります。つまり全部のコアが一斉にメモリアクセスに行くような場合、Woodcrest では1コアあたり FSBバンド幅の半分使えるのに対し、Clovertown では 1/4 しか使えないことになります。これはメモリ、FSBネックによってコアがストール(停止)する時間が長くなるという事です。メモリ負荷の高い処理の場合、Clovertown でスレッド並列数が倍になっても殆ど性能が上がらないか、かえって低下するという現象が起きましょう。
 と言うことで、単に CPUを Woodcrest から Clovertown に載せ変えれば全てハッピーなんて簡単な話にはならないかも知れません。FSB やメモリの高速化と、ソフトウェアにも更なる並列化、最適化が求められるというわけです。


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