いつの間にかThunderbird(Tenfourbird)でメール送受信できなくなっていて、一週間以上悩んだ
こんな原因でメール送受信ができなくなることもあるんだという、愚か者の告白
自宅サーバー(Mac mini G4)で使っているメーラー Thunderbird(実際には有志の方々が PowerPC用にビルドした Tenfourbird)だが、ふと気が付いたらメールが全く送受信できない状態になっていた。
[症状]
プロバイダのPOP3, IMAPサーバーからメールを受信しようとすると、「{POP3/IMAPサーバーのドメイン名}に接続しています...」となり、このままの状態がずっと続いて一向にメールが受信できない。
また、メールを送信しようとすると、こちらも「{SMTPサーバーのドメイン名}に接続しています...」の状態のままになり、メールが送信できない。
[ネット検索で見つかった対処方法]
ググると同じような症状で悩んでいる人はいるようで、いくつか対処方法は見つかった。
- アカウントの設定(POP3, IMAP, SMTPサーバーのドメイン名、ユーザIDやパスワード、暗号化の方法)が正しいか確認する
- ファイアウォール、アンチウィルスソフトを一時的に止めてみるか、除外アプリにThunderbirdを追加する
- システムやWebのキャッシュを削除(クリーニング)してみる
- Thunderbirdをアンインストールして再インストールしてみる
- Thunderbirdからメールアカウントを一旦削除し、再度アカウントを追加しなおす
- Thunderbirdをsafeモードで起動してみる
- Thunderbirdのプロファイルフォルダ(~/Library/Thunderbird/)ごと削除してからThunderbirdを起動し、最初から全部やりなおしてみる
等々・・・一応、全部試してみたが、全く症状変わらずだった。
[今回の原因]
原因はプロキシであった。Thunderbird(Tenfourbird)の環境設定内にプロキシの設定項目がある。この設定は以前から変えてなく「システムのプロキシ設定を使用する」になっていた。
では、システム(Mac OS X)のプロキシ設定はどうなっていたかと言うと、
こうなっていた。問題なのは「SOCKSプロキシ」にチェックが付いていることだ(これについては、いつチェックを入れたのか全く記憶にないのだが・・・)。なぜ「SOCKSプロキシ」を有効するとマズイのか。それは、この自宅サーバー(Mac mini G4)には、ワタシがプロキシとして Squidがビルド、インストールしてあり、これを使うように設定しているからだ(過去記事はこちら)。この時は SASLのヘッダファイルが Mac OS Xに無いとの理由から、Squid-3.1.23という古いものをインストールしているが、現在では Cyrus-SASLをインストールした上で Squid-3.5.28-20181027-rbc97861 に置き換えてある。どうやら、これをインストールした際にシステム(Mac OS X)のプロキシ設定で「SOCKSプロキシ」を有効にして Squidを使うように設定してしまったと思われる(20181027 というリリース日やインストールされていた Squidのタイムスタンプからも、復旧後にインストールしたのは間違いない)。
だが、Squidは基本的にWebプロキシであって、SOCKSプロキシの機能は無いのだそうだ。一応SOCKSプロキシ機能を有効にしてビルドする方法もあるらしいのだが、Squid-3.5.28では SSL関連のソースでコンパイルエラーになってビルドが失敗する(OpenSSLでもLibreSSLでもエラーになる。将来的にはビルドできるようになるのか、SquidのVer.4系や最新版なら可能なのかは不明)。
メールサーバー(POP3, IMAP, SMTP)との接続、認証にはSOCKSが使われるので、プロキシを通すようにするとSquidが通せんぼしてしまうのではないか?で、いつまでたっても接続できず Thunderbird(Tenfourbird)は延々と待ち続けてしまうという事ではないかと思われる。
とまぁ、こんなアホな原因でメール送受信ができなくなる事例もあるのだということで、参考になれば幸いだ。
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