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Ghostscript

参照:Ghostscript Website


訳あって Ghostscript を新しくしてみようとしたのだけど


 Ghostscript というのは UNIX (X-Window) 上の PostScript, PDF を表示、印刷するためのインタープリタアプリケーションで、Adobe の Acrobatリーダーや MacOS-X のプレビューみたいなものだと思えば良いだろう。
 ウィキペディアで Ghostscript を調べてみると、何種類かのディストリビューションがあることが分かる。先ずは GNU Ghostscript の Ver.8.55 を入れてみようとしたのだけど、これがチトすんなり行かなかったので備忘録としてメモしておこう。

 手順は、

  1. GNUの ftpミラーサイトから GNU Ghostscript をダウンロードする。今回はここ から辿って行きダウンロードした。
    現在の最新版は "gnu-ghostscript-8.55.tar.bz2" のようだ。
  2. 解凍する。bzip2で圧縮されているので、bunzip2 や bzcat を用いる。
    
    $ bzcat gnu-ghostscript-8.55.tar.bz2 | tar xvf -
    
  3. 解凍されたディレクトリに移動し、先ずは通常の方法(configure, make)でビルドを試みる。
    
    $ cd gnu-ghostscript-8.55
    $ sh ./configure
    $ make
        〜
    jasper/src/libjasper/jpc/jpc_cs.c: In function 'jpc_getms':
    jasper/src/libjasper/jpc/jpc_cs.c:244: warning: comparison is always false due to limited range of data type
    jasper/src/libjasper/jpc/jpc_cs.c:291: error: 'ulong' undeclared (first use in this function)
    jasper/src/libjasper/jpc/jpc_cs.c:291: error: (Each undeclared identifier is reported only once
    jasper/src/libjasper/jpc/jpc_cs.c:291: error: for each function it appears in.)
    make: *** [obj/jpc_cs.o] Error 1
    
    こんな具合にコンパイルエラーが発生してビルドが中断してしまう。
  4. コンパイルエラーは JasPer という JPEG 2000 画像を扱うライブラリのソースで発生している。JasPer は configure 時にオプションとして組み込む機能の中にあるので、デフォルト状態ではリンクされずライブラリを作る必要も無いのでは?と思うのだが、使わなくても作ろうとしてしまうようだ。仕方ないので突破を試みる。
     原因は"ulong"という型が宣言されていないためと思われるので、"jasper/src/libjasper/include/jasper/jas_config_ac.h" ファイルを以下のように適当なエディタ(vi等)を使って編集する。
    
    $ cd jasper/src/libjasper/include/jasper
    $ vi jas_config_ac.h
    

    
    /* Define to `unsigned int' if  does not define. */
    /* #undef uint */
    
    /* Define to `unsigned long' if  does not define. */
    /* #undef ulong */
    
    /* Define to `unsigned long long' if  does not define. */
    #define ulonglong unsigned long long
    
    
    /* Define to `unsigned int' if  does not define. */
    /* #undef uint */
    
    /* Define to `unsigned long' if  does not define. */
    #define ulong unsigned long
    
    /* Define to `unsigned long long' if  does not define. */
    #define ulonglong unsigned long long
    
  5. 再度 make
    
    $ cd ../../../../..
    $ make
    
  6. これでビルドが成功するので、このままで良ければインストールする。
    
    $ sudo make install
    
    が、せっかく JasPer ライブラリも出来ていることだし、オプション機能も組み込んでみよう。どんなオプション機能があるかは "configure --help" で見ることができる。
    
    $ ./configure --help
        〜
      --with-png              include PNG support (local, shared, no)
      --with-ijs              include IJS driver support
      --with-jbig2dec         include JBIG2 decode support
      --with-jasper           link to the JasPer library for JPEG 2000
        〜
    
    今回はこの機能を組み込んでみたい。
  7. 一旦、綺麗にして最初から
    
    $ make distclean
    $ sh ./configure --with-png --with-ijs --with-jbig2dec --with-jasper
    $ make
    
  8. ビルドが成功したらインストールする。
    
    $ sudo make install
    
  9. フォントをインストールする。
    既に Ghostscript がインストール済みで今回のワタシのように新しい物に置き換えようとしている場合フォントは既にインストールされているだろうが、最初に Ghostscript をインストールする際にはフォントもインストールする必要がある。
    フォントのパッケージも GNU Ghostscript が置かれていた同じ場所から入手することができる。現在の最新版は "gnu-gs-fonts-std-6.0.tar.gz" か?
    インストール先は "/usr/local/share/ghostscript/fonts" ディレクトリ配下。
    
    $ cd /usr/local/share/ghostscript
    $ sudo tar xvzf gnu-gs-fonts-std-6.0.tar.gz
    
  10. 動作確認する。
    "/usr/local/share/ghostscript/8.55/examples" の下に幾つか .ps, .pdf 等のサンプルファイルが置かれているので
    
    $ cd /usr/local/share/ghostscript/8.55/examples
    $ gs alphabet.ps
    
    などしてみて、きちんと表示されればOK。

 他のディストリビューションはどうか?最もバージョンが進んでいるのは GPL Ghostscript のようで Ver.8.56 になっていた。そこで、こちらを試してみたところ

$ tar xvzf ghostscript-8.56.tar.gz
$ cd ghostscript-8.56
$ sh ./configure --with-ijs --with-jbig2dec --with-jasper
$ make
と、すんなりビルドできてしまった。と言うわけで、こちらの方が MacOS-X にとっては筋が良いようだ。
ところで、フォントは Ghostscript Website から cs.wisc.edu へ辿って行くと "ghostscript-fonts-std-8.11.tar.gz" を入手することができる。こちらの方が新しくファイルサイズも大きいので、含まれているフォントの種類が多いと言うことか?


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