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USBメモリでRAID 5を構築(4)

RAIDアレイの故障監視ができるようにします


10. 監視と通知の設定

 今回構築したのはRAID 5なので、もし構成しているデバイス(USBメモリ)のうち1台が壊れても保存しているデータが失われることはありません。縮退(degrade)状態で動作を継続しますが、縮退状態ではデータが冗長化されていません。壊れたデバイスを交換すれば、元の状態に復旧することができますが、縮退状態で更にもう1台のデバイスが壊れればデータは失われます。また、2台同時に壊れてもデータは失われます。

 RAIDアレイの構成デバイス(USBメモリ)の故障によるデータの消失を防ぐには、故障の発生をできるだけ早く知る必要があります。そのため、RAIDアレイを監視し、構成デバイスに故障が生じたらメールで通知されるようにします。
 と言うことで、先ずはメール送信をできるようにしなければなりません。メール送信するためには MTA(Sendmail, postfix等)が必要になりますが、単にメール送信できれば良いというのであれば、ssmtpを使うのが最も簡単でしょう。
 ssmtpのインストールと設定は以下のように行いました。

  1. ssmtpのインストール
    # apt-get update
    # apt-get install ssmtp
  2. ssmtpの設定

     設定は"/etc/ssmtp/ssmtp.conf"を任意のエディタで編集します。以下の赤字が修正、追加した部分です。

    # cd /etc/ssmtp
    # cp -p ssmtp.conf ssmtp.conf.org
    # vi ssmtp.conf

     以下はウチのプロバイダの場合の設定です。

    #
    # Config file for sSMTP sendmail
    #
    # The person who gets all mail for userids < 1000
    # Make this empty to disable rewriting.
    #root=postmaster
    
    # The place where the mail goes. The actual machine name is required no
    # MX records are consulted. Commonly mailhosts are named mail.domain.com
    mailhub=your-smtp.server.ne.jp:25
    
    # Where will the mail seem to come from?
    rewriteDomain=your-domain.server.ne.jp
    
    # The full hostname
    hostname=RaspberryPi3
    
    # Are users allowed to set their own From: address?
    # YES - Allow the user to specify their own From: address
    # NO - Use the system generated From: address
    FromLineOverride=YES
    
    UseTLS=NO
    UseSTARTTLS=NO

     "ssmtp.conf"ファイルの書式については、検索すれば山ほど見つかると思いますが、最低限必要な項目はmailhubだけで、ここに自分が利用しているプロバイダのSMTPサーバを指定します。要するに他のSMTPに丸投げ(リレー)しているだけなんですね。
     それ以外にはrewriteDomainはできるだけ指定した方が良いということです。また認証が必要なSMTPサーバを使用する場合は、

    • AuthUser:SMTP認証のユーザ名
    • AuthPass:SMTP認証のパスワード
    • AuthMethod:SMTP認証の方法(LOGIN or CRAM-MD5)

    を指定する必要があり、暗号化して送信する場合は、

    • UseTLS:SSL/TLS接続(YES or NO)
    • UseSTARTTLS:EHLO/STARTTLS暗号化(YES or NO)
    • TLSCert:RSA証明書ファイル

    等々が必要になるとの事ですが、暗号化が必要なSMTPサーバを使用すると色々面倒っぽいので詳しく調べてません(^^;)。
     面倒臭い場合は、Googleのgmailを使用する例が山ほど見つかりますので、それを参考にすれば良いと思います。

  3. ssmtpのメール送信テスト

     設定したらメール送信できるか、動作確認してみます。以下のように書いたファイルをsendmailで送信してみて、メールが受信できればOK。

    # cat testmail
    From: RaspberryPi3@your-smtp.server.ne.jp
    To: hoge@my.mail-addr.com
    Subject: Test Mail
    
    This is Test mail.
    
    # sendmail -t <testmail
  4. mdadmへのメール設定

     メール送信できるようになったら、madmの設定ファイル("/etc/mdadm/mdadm.conf")のMAILADDRに送信先メールアドレスを指定します。

    # mdadm.conf
    #
    # Please refer to mdadm.conf(5) for information about this file.
    #
    〜略〜
    # instruct the monitoring daemon where to send mail alerts
    MAILADDR hoge@my.mail-addr.com

     設定を反映するため、mdadm-raidサービスを再起動します。

    # systemctl restart mdadm-raid.service
  5. mdadmからメール送信テスト

     mdadmからメール送信できるかテストします。

    # mdadm --monitor --scan --test -1

    以下のようなメールが届いたら成功。以上で作業完了です。

    From: "mdadm monitoring"
    To: hoge@my.mail-addr.com
    Subject: TestMessage event on /dev/md0:RaspberryPi3
    
    This is an automatically generated mail message from mdadm
    running on RaspberryPi3
    
    A TestMessage event had been detected on md device /dev/md0.
    
    Faithfully yours, etc.
    
    P.S. The /proc/mdstat file currently contains the following:
    
    Personalities : [raid6] [raid5] [raid4] 
    md0 : active raid5 sdc1[0] sda1[3] sdb1[1]
         123369472 blocks super 1.2 level 5, 256k chunk, algorithm 2 [3/3] [UUU]
    
    unused devices: <none>


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