macOS Mojave を Mac Pro Early 2008(非サポート機種)にインストール
参照:macOS mojave patcher
mojave patcherがSSE4.2命令のエミュレータを追加し、AMDのドライバが動くようになったとの事で
macOS Mojave(10.14)ではビデオカード(GPU)の条件が厳しくなり、Metal対応のビデオカード(GPU)が必要になりました。今ウチのMac Pro Early 2008で使っているビデオカードはAMD Radeon 6870なのですが、これはMetal非対応です。AMDでMetral対応のビデオカードはRadeon 7xxx以降で、MacのEFIファームウェアがある物は Radeon 7950ですが、当然ながら中古でもメッチャ高価です。たとえ Radeon 7950を購入したとしても、AMDのMetal対応ドライバではSSE4.2命令が使用されており、Mac Pro Early 2008で使用されている Xeon CPUにはこの命令が無いので動かない(たぶんカーネルパニックになる)のです。
nVidiaはと言うと、Geforce GTX 4xx以降の製品がMetal対応で、Windows用GeForce GTX680のファームウェアをMac用に書き換えた物がそこそこ安く購入できます。しかし、Apple と nVidia の関係が悪く、nVidia はドライバを出したくても Appleが許可してくれない状態のようです。CUDA機能は使えませんし、Web Driver も 2019.10.30にリリースされた High Sierra用の Ver.387.10.10.10.40.132が最後です。実は Windows用GeForce GTX680 をMac用ファームウェアに書き換えた物を購入したのですが、何故か High Sierra では画面表示がおかしく、動作がカクカクしたり、アプリによっては一部が始終チラチラしたりして、これじゃとても使えない状態でした(macOS のドライバでも nVidiaのドライバでも症状変わらず)。また、mojave patcherがリリースになった初期の頃に試してみたのですが、Mojaveでは全く画面が映らない状態でした。
と言うことで、Mac Pro Early 2008では High Sierraまでが限界かと思っていたのです。しかし macOS Catalia がリリースになったこともあって久しぶりに mojave patcher のホームページを訪れてみたところ、Metal非対応のビデオカードで発生していたハードウェアアクセラレーションの問題が修正されていたり、SSE4.2命令のエミュレータによって、Mac Pro Early 2008でもAMD製Metal対応ビデオカードが動作するようになったと言うのです。
それなら、もう一度チャレンジしてみるかと思いまして、数日前から macOS Mojave(現時点での最新版は10.14.6+セキュリティアップデート2019-001)と格闘しています。
使用する物は以下です。
- Mac Pro Early 2008(Intel Xeon E5462@2.8GHz ×2)、メモリ16GB
- ビデオカード
- AMD Radeon HD 6870
- nVidia GeForce GTX680 4GB(Mac用EFIファームウェアに書き換え済み)
- AMD Radeon RX560 4GB(今回新しく購入。msi製のためMacのEFIブート非対応)
- SAMSUNG製256GB SSD(Sierraが入っていた物を消去して使用する)
- インストーラ作成用16GB Micro SDカード(USBメモリ)
- macOS mojave patcher 1.3.5
mojave patcher の使用法はアチコチで多数紹介されているので割愛。
ビデオカードは Radeon HD 6870 のままでインストールし、無事インストールできたらビデオカードを交換してみます。SSDはHFS+ではなくAPFSでフォーマットしました。と言うのもAPFSであれば、通常のソフトウェアアップデートの方法でVupできるようだったので(しかし、後でセキュリティアップデート2019-001を適用したところ、見事にパッチが外れて起動しなくなってしまいました。macOS Post Installでパッチを適用しなおして何とか復旧できましたが(*1))。
先ずは Radeon HD 6870 のままインストールしたところ、特に問題なくインストールでき、macOS Post Installでパッチを(マシンのモデルに MacPro3,1を指定して選択されたパッチのみ)適用後、無事に Mojave が起動する事が確認できました。Micro SDからのブート時間を除けば、所要時間は30分ほどかな。
ざっと使ってみた限り、若干動作がカクカクするものの使い物にならないと言ったレベルではなく、それなりに使えます。ただ、時々画面描画がおかしくなるときがありました。また、APFSからの起動はHFS+より少し時間がかかります。
一旦シャットダウンし、ビデオカードを nVidia GeForce GTX680に交換。nVidiaから提供されているドライバは無いのですが、Mojaveにも以前提供していた古い nVidiaのドライバは入っているという話なので使える筈。でも、以前はEFIブート時のグレーのリンゴマークからドライバでの描画に切り替わったとたん、全く画面が映らず真っ暗のままになってしまったんです。今度はどうかな?
はい、今度は無事に画面が出ました!動作がカクカクするような事もなく、特に問題はないようです。また、ダークモードは夜なら良いのですが明るい日中は何となくシックリ来ないので、ライトモードに変えました。それにダークモードなのに、ウィンドウの表示部分が白いアプリは結構目が痛いですね。
次に Radeon RX560に交換してみました。
このビデオカードは Mac用EFIファームウェアではないので、起動直後のグレーのリンゴマークは出ません。これは optionキーを押下して起動デバイスを選択したり、シングルユーザモードで起動することが出来ないということを意味します。電源を入れると黒い画面が続いた後に、ドライバでの描画に切り替わると黒バックに白いリンゴマークが映るようになり、ログイン画面となります。
SSE4.2命令のエミュレートによってAMDのドライバも正常動作しているようです。動作がカクカクする事もなく滑らかです。
これで Mojave に移行できるか?と思い色々と動作確認してみたのですが、話はそう簡単ではありませんでした。
先ず Software Updateの問題。APFSなら普通にシステム環境設定からできるかと思ったのですが、セキュリティアップデート2019-001を適用したところ、見事に起動しなくなりました。アップデートをする際にはMac用EFIファームウェアが入っているビデオカードに交換しておき、適用後に再度 macOS Post Installでパッチ適用しなおした方が良さそうです(*1)。
次にこれが致命的な問題なのですが、Parallels Desktop 15 で Windows を動かすと、Windows側のCPU使用率が100%に張り付きっ放しになり、使用に耐えない遅さになります。
Windowsが起動し終わるまでに1〜2時間(それ以上かも)かかるのですから、お話になりません。一つ古い Parallels Desktop 14 にすると若干良くなるのですが、それでも使用できるレベルではありません。最初は mojave patcher が入れたパッチの中に、Parallels Desktop にとって何か良くない事をしている物があるんじゃないか?(SSE4.2命令エミュレータなんか怪しそう)と思ったりしたのですが、どうやら Mojave 10.14.4以降に発生した問題のようで、Parallels Forumsの"High CPU usage on disk access since update to Mojave 10.14.4 ?"で盛んに議論されています。最新版の Parallels Desktop で直っているような話もあるようですが、ワタシのとこは Parallels Desktop 14/15 とも最新版ですが全然直っていません。ハイパバイザーの問題だとか、ここでもグラフィック関係の設定が影響しているとか、仮想マシンのメモリが4GBから32GBの範囲で現象が発生するのだとか、何とも原因が分からず回避策も見つかっていないようです。
ワタシは仕事で Windowsを使うので、これは致命的です。という事で、まだ当分は High Sierra を使うことになりそうです。で、High Sierra では何故か GeForce GTX680、Radeon RX560 ともに描画がおかしく、結局以前のまま Radeon HD 6870 を使用しているという状態。折角のビデオカードへの投資が(;_;)・・・
備考(*1):mojave patcherのホームページでも、普通にソフトウェアアップデートをした後に、mojave patcherで作ったインストーラでパッチを当てなおす必要があるってシッカリ書いてありましたね(^_^;)。
10.14.6 can be updated normally via Software Update if using an APFS volume, and will need to be patched using an installer volume created with Mojave Patcher version 1.3.2 or later after installing.
|