TA4805S
ナビ(Mio C323)の電源ユニットでも作ろうと思って
レギュレータICを買いに行ったのだけど、お目当てのスイッチングレギュレータICは無く、
結局、三端子レギュレータになってしまった。東芝製の TA4805S という出力5V, 1A、低ドロップアウト型のレギュレータICチップ。
低ドロップアウト型というのは入力電圧と出力電圧の差が小さくても電圧変換が可能というもので、通常の三端子レギュレータは出力電圧に対して +2〜3V程度の高い入力電圧が必要であるのに対して、これは+0.5Vあれば規定の出力電圧が保てるというもの。つまり入力電圧が一定せず、場合によっては出力電圧付近まで低下するような可能性がある場合にも出力電圧を保てると言うことだ。
今回、バイクのバッテリー(12V)からナビ用の5Vを取り出そうと言うことなので、入力電圧と出力電圧の差は+7Vもある。これなら低ドロップアウトである必要は無いのだが、バッテリーが弱ってくるとエンジンをかける際のセルモータの消費電力で、バッテリーの電圧が 7Vくらいまで下がってしまう事もあるそうだ。それに低ドロップアウト型だろうが値段は変わらないので、安全サイドでコチラを選択。
回路はこんな実に単純なモノ。入力に発振防止用のコンデンサ、出力にリップル除去、平滑用の電解コンデンサを付けるだけ。入力(VIN)をバイクの+12V電源ラインに繋げれば、出力(VOUT)には+5Vが出て来る。電流は最大1Aなので、USBのバスパワー(最大500mA)で動作しているナビ(Mio C323)には充分な電力量のはずである。
と、まぁ三端子レギュレータというモノは簡単に電圧変換ができる便利なシロモノなのであるが、問題点が1つある。それは電圧降下で生じる電力ロスはすべて熱として捨てられると言うことだ。今回のケースでは +12V を +5V まで降下させる。最大電流は 500mA だから、電圧降下 7V × 500mA= 3.5W が熱に変換されてしまう。そして、この熱を充分に発散できないとレギュレータICは「壊れる」のである。一般に変換効率が40%を切るような電圧変換をする場合には、レギュレータICチップだけでは発熱を外気へ逃がし切れないので放熱器を取り付ける必要があると言われている。今回のケースでは変換効率 41.7% とギリギリ。なので、このICの定格を基にざっと熱計算してみたところ、外気温40度の場合、放熱器ナシでは 200mA も流せば熱限界を超えそうだ。炎天下のタンクバッグ内などでは外気温は何度になるのか?その場合、何ミリAで熱限界を超えるのか?と考えれば、放熱器は必須ということになる。放熱器には少なくとも数cm角程度の物が必要だろう。レギュレータICチップは小さくても放熱器のせいで電源ユニットは若干大きくなってしまうわけだ。
だぁから本当はスイッチングレギュレータICが欲しかったのだけど。スイッチング方式なら、電圧降下分が熱で捨てられるなんて事はないはずだからね。通販なら1個¥200程度なんだけど、送料等を含めると千円越えてしまうという、何ともお馬鹿な買い物になってしまう。出張で東京行くことないかなぁ・・・(^^;)。
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